スピンオフ作品
(解答番号118

第1問

歴史的建造物や遺跡について述べた次の文章A,Bを読み,下の問(問1〜6)に答えよ。(配点 32)

A

コルサントの元老院地区には元老院議会をはじめとする建造物がある(下図参照)。帝国時代もインペリアル・パレスとして残っていた旧ジェダイ・テンプル(聖堂)は,旧共和国時代,ジェダイの活動の中心であった。帝国黎明期,ジェダイの粛清を済ませた皇帝がオフィスを移してからはパルパティーンの権力の中心地となっていった。その後,帝国と反乱同盟のあいだで起こった銀河内戦(銀河内乱)の時代には皇帝暗殺を狙った宮殿の爆破も計画された。旧共和国の聖堂を起源とする宮殿は,それからも数々の歴史的事件の場となった。

コルサントの元老院地区

問1

下線部①について述べた文として正しいものを,次ののうちから一つ選べ。1

  • コルサントの共和国基地の設計には,クレニックも関わった。
  • 500リパブリカは,アミダラ議員の共和国末期の住居として知られる。
  • 尋問官の本部は,コルサントからムスタファーに移動した。
  • ベイダー城は,ベイダー自身の設計であった。

解説:①クローン・ウォーズS5でアソーカが拘置されていた共和国基地の設計にはクレニックも関わっている(小説『カタリスト』より)②500リパブリカはパルパティーンの住居。アミダラ議員の住んでいたビルは別の建物である。③尋問官の本部はコルサントからナーに移動した。(ゲーム「ジェダイ:フォールン・オーダー」より)④ベイダー城の設計は古代のシス,モミン卿が行った。(コミック『シスの暗黒卿 ベイダーの城』より)

問2

下線部②に関連して,粛清を生き延びたジェダイについて述べた文として正しいものを,次ののうちから一つ選べ。2

  • ケイナン・ジャラスは,惑星ロザルで反乱者たちを率いた。
  • ジョカスタ・ヌーは,司祭となり帝国を避けて家庭をもった。
  • マサナ・タイドは,ジェダイ再興を目指した。
  • イース・コスは,帝国に寝返り尋問官になった。

解説:②アーカイブの管理人であったジョカスタ・ヌーはジェダイ再興を目指した。(コミック『シスの暗黒卿 潰えた遺産』より)③マサナ・タイドは帝国に寝返り,尋問官ナインス・シスターとなった。(コミック『シスの暗黒卿 燃える海原』より)④イース・コスは司祭となり,家庭をもっている。(コミック『シスの暗黒卿 ベイダーの城』より)

問3

下線部③銀河内戦(銀河内乱)の時期に起こった出来事として正しいものを,下ののうちから一つ選べ。3

  • ナブーで関税問題を発端とする貿易紛争が起こった。
  • ハン・ソロが殺害された。
  • ホズニアン星系が破壊された。
  • サン・スポット刑務所が閉鎖に追い込まれた。

解説:銀河内戦は一般に映画「ローグ・ワン」のスカリフの戦いから「エピソード6」の一年後の銀河協定までの銀河帝国と反乱同盟軍(のち新共和国)の戦争を指す。①(「エピソード1」),②,③(「エピソード7」)は明らかに不適である。④は「エピソード4」と「エピソード5」の間の出来事である(コミック『サンスポットの騒乱』より)

また銀河内戦中に発生した皇帝暗殺事件は,未邦訳コミック『Unspeakable Rebel Superweapon』で描かれている。

B

ミッド・リムの惑星ジェダは,多くの宗教の聖地であり,銀河内戦の前の時代には多くの宗教施設を見ることができた。カイバー寺院は,ウィルズの守護者が活動の中心としていた場所である。後にルーク・スカイウォーカーも訪れたセントラル・アイソプターの寺院も,この地に残っている。スターダスト計画のため帝国がカイバー・クリスタルを集め始めると,パルチザンがカデラのカタコンベを拠点に戦った。

問4

下線部④に関連して,ウィルズの守護者について述べた文として適当でないものを次ののうちから一つ選べ。4

  • ウィルズの守護者は,全員ジェダイであった。
  • チアルート・イムウェとベイズ・マルバスは一時期,パルチザンに加わった。
  • 古物商のドク・オンダーはカイバー寺院から彫刻を持ち出した。
  • チアルート・イムウェとベイズ・マルバスは,スカリフの戦いに参加した。

解説:映画「ローグ・ワン」から①,④は明らかだろう。②未邦訳小説『Guardians of the Whills』③未邦訳コミック『Galaxy's Edge 3』でそれぞれ描かれている。またルーク・スカイウォーカーがセントラル・アイソプターの寺院を訪れる話は未邦訳コミック『The Ashes of Jedha』より

問5

下線部⑤のスターダスト計画は完成物の名称でより広く知られている。のうちから完成物を選べ。5

  • マレヴォランス
  • ギャラクシー・ガン
  • デス・スター
  • サン・クラッシャー

解説:スターダスト計画はデス・スター建造計画のコードネームである(映画「ローグ・ワン」より)。この計画は極秘で進められ,大提督ですら完成品がデス・スターであることを知る立場になかった(未邦訳小説『Thrawn: Treason』より)①<マレヴォランス>は強力なイオン砲を搭載した独立星系連合の戦艦(クローン・ウォーズS1に登場)②ギャラクシー・ガンはレジェンズコミック『ダーク・エンパイア』で蘇った皇帝が使用した超兵器④サン・クラッシャーはレジェンズ小説『ジェダイの末裔』などに登場する超兵器。

問6

下線部⑥に関連して,パルチザンについて述べた文として誤っているものを次ののうちから一つ選べ。6

  • 分派の一つDreamersは,インフェルノ分隊によって壊滅に追い込まれた。
  • ベンシックは以前,クラウド=ライダーズの一員だった。
  • ソウ・ゲレラは,かつて故郷アンバラの自由のため戦った。
  • あまりに過激であったためパルチザンは反乱同盟軍とは独立して活動していた。

解説:①未邦訳小説『Battlefront: Inferno Squad』で描かれる。②映画「ハン・ソロ」でクラウド=ライダーズのメンバーとして登場する。③ゲレラの故郷はオンダロンである(クローン・ウォーズS5より)。④「ローグ・ワン」で描かれたとおり。

第2問

記録や文字について述べた次の文章A,Bを読み,下の問い(問1〜9)に答えよ。(配点 32)

A

新共和国時代に語り部としても有名だったボバージョによれば,彼はヤヴィンの戦いに参加しており,デス・スターの破壊は彼によるのだという。この物語は一般に信じられていた事実とは異なっており,聴衆は単なる創作ではないかと考えていた。ところがジャクーの集落がザイゲリアンの奴隷商人に襲撃されたとき,居合わせたボバージョがザイゲリアンを撃退したのである。これにより,聴衆も彼の物語が事実かもしれないと思い直したが,ボバージョはただ物語の力を強調して去っていったのだった。

(未邦訳短編「All Creatures Great and Small」による)

問1

下線部①について述べた文として正しいものを,次ののうちから一つ選べ。7

  • ターキン総督は,戦況を冷静に受け止め退避したため生き延びた。
  • タッグ将軍は,偵察任務でダントゥインに向かったため生き延びた。
  • ヴェイダーは,自身の旗艦<デヴァステイター>に残っていたため生き延びた。
  • シエナ・リーは,デス・スターからTIEで出撃していたため生き延びた。

解説:①ターキンは撤退勧告を無視してデス・スターとともに散った。②タッグは「ロスト・スターズ」でも描かれるダントゥイン偵察の指揮をとったため生き延び,大将軍に昇格している(コミック『ダース・ベイダー』より)③ヴェイダーはデス・スターにいたがTIEで出撃していたため辛くも生き延びた④シエナ・リーは<デヴァステイター>にいたため生き延びた(漫画『ロスト・スターズ』より)。ちなみにアイデン・ヴェルシオがTIEで出撃していた数少ない生存者である(未邦訳小説『Battlefront: Inferno Squad』より)

問2

下線部②に関連して,新共和国時代一般に信じられていた事実認識として最も適切なものを,次ののうちから一つ選べ。8

  • オルデランは地殻の断層線に沿ってあびせられた一連のプロトン魚雷によって破壊された。
  • ヤヴィンの戦いは反乱軍によって作り上げられた虚構に過ぎなかった。
  • ジェダイは共和国が秩序維持のために作り上げた幻想である。
  • パルパティーンはエンドアの戦いで死亡した。

解説:①②新共和国時代に"神話を破壊する者"が唱えていた説だが一般に信じられていたとは言えない(小説『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』より)③ジェダイの痕跡がない時代こう考えていた市民もいたが,ジェダイを信じる者も一定数いたため不適切(未邦訳小説『Force Collector』より)。④反乱軍が皇帝の死を広めると,帝国はパルパティーンが無事だというプロパガンダを展開したり(『Star Wars Propaganda』より),アノート・セクターのように宙域ごと封鎖して情報遮断を図ったりした(ゲーム「Uprising」)が,最終的には彼の死を認めた。

問3

下線部③に関連して,奴隷制度について述べた次の文aとbの正誤の組み合わせとして正しいものを,下ののうちから一つ選べ。9

  1. 旧共和国では奴隷制度が認められていた。
  2. 古代のシス帝国は奴隷制の上に成り立っていた。
  • a―正 b―正
  • a―正 b―誤
  • a―誤 b―正
  • a―誤 b―誤

解説:a.パドメが述べているように共和国は奴隷制を認めていない。(「エピソード1」より) b.シディアスが述べているように古代のシス帝国は奴隷制の上に成り立っていた(クローン・ウォーズS4より)

B

銀河帝国の高官の多くは,彫刻や絵画といった様々な文化物を蒐集し,自ら執筆・創作を行うものも少なからずいた。彼らによる回顧録は帝国時代に関する歴史研究にとって極めて重要な史料である。グランド・モフのウィルハフ・ターキンによる回顧録のセンチネル基地に関する箇所はその好例である。この回顧録からはターキンの機動性バトル・ステーション建造過程への反省のみならず,幼少期の経験への思いや,皇帝の権威への姿勢もうかがい知ることができる。

問4

下線部④に関連して,帝国時代の高官たちについて述べた文として誤っているものを,次ののうちから一つ選べ。10

  • ヴェリス・ハイダンは,コルサントのシス寺院の発掘を行った。
  • ウルフ・ユラーレンは,裏切り者を逃さないという評判を得ていた。
  • デネトリアス・ヴィディアンは,効率化の専門家だった。
  • アーマンド・アイサードは,新秩序施行監視委員会の最高幹部だった。

解説:①コルサントのシス寺院発掘はドロイドによって行われシディアスのみがその存在を知っていた(小説『ターキン』より)。ハイダンはロザルのジェダイ聖堂の発掘を行った。(反乱者たちS4より)②反乱者たちS3より。③小説『新たなる夜明け』より。かれは「古いやり方とは決別だ」という言葉で有名だった。④小説『ターキン』より

問5

下線部⑤に関連して,歴史書や記録について述べた文として誤っているものを,次ののうちから一つ選べ。11

  • ギャミット・コンドは,スカイウォーカー家に焦点を当てた手書きの地図を残した。
  • ディヴォ一家は,代々犯罪者たちの記録を残した。
  • クローン大戦中,『History Monthly』という雑誌が存在した。
  • 「ウィルズの書」は,共和国時代から時系列順に執筆された。

解説:①この地図は『ギャラクティック アトラス』として実際に販売されている。②クローン・ウォーズに登場したタン・ディヴォの一家は代々警察関係の職についており,彼の孫がそれらの記録をまとめている(『Scum and Villainy: Case Files on the Galaxy's Most Notorious』として実際に販売されている)③この雑誌のポスターが<Havoc Marauder>内部に貼られている。(クローン・ウォーズS7より)④「ウィルズの書」がキャド・ベインはじめ多くを飛ばして銀河内戦から書き始められたことは仲間にも衝撃を持って受け止められた。(未邦訳短編「Whillsより」)

問6

下線部⑥に関連して,次の年表に示したa〜dの時期のうち,ナブーの君主が儀式など以外することがない象徴的な地位になった時期として最も適切なものを,下ののうちから一つ選べ。12

a

32BBY 通商連合によるナブー封鎖

b

22BBY クローン大戦開戦

c

19BBY 銀河帝国建国

d
  • a
  • b
  • c
  • d

解説:ナブーの君主はパルパティーンが皇帝になった後,儀式など以外することがなくなった。(小説『レイア・オーガナ オルデラーンの王女』)

第3問

以下の史料A,Bを読み,下の問い(問1〜6)に答えよ。(配点 36)

A

偉大なる帝国の指導者

ジャクーを抑えました。私は帝国をともに連れていきます。あなたはまだ名目上の指導者ですが,全てが終わるまでは閉じこもっていてもらうことになる。逃げようなどと考えないように。ドアはすべて閉鎖されている(バルコニーへのドアもだ,飛び降りようなどと思われては困るので)。そしてあらゆる脱出の試みはあなたを妨害する暴力行為につながるであろう。保証しよう,これはいつの日か再びあなたが我々を導けるようにあなたの安全を保証するためなのだ。

(未邦訳小説『Aftermath: Empire's End』による)

問1

下線部①に関連して,エンドアの戦い後の帝国およびファースト・オーダーの指導者a〜cが,権力を手にしていた時代の古いものから順に正しく配列されているものを,次ののうちから一つ選べ。13

  1. ガリウス・ラックス
  2. アーミテイジ・ハックス
  3. レイ・スローン
  • a→b→c
  • a→c→b
  • b→a→c
  • b→c→a
  • c→a→b
  • c→b→a

解説:Aftermathシリーズと小説『ファズマ』で描かれている流れ。小説版『最後のジェダイ』でも描かれている。

問2

下線部②に関連して,砂漠の星でないものを次ののうちから一つ選べ。14

  • タトゥイーン
  • ジオノーシス
  • ナブー
  • パサーナ

問3

この資料は誰に対して送られたものか。下ののうちから一つ選べ。15

  • 代理皇帝マス・アミダ
  • 元老院議員カリース・シンディアン
  • モフ・ギデオン
  • ミスローニュルオド大提督

解説:本資料は帝国の最後の決戦であるジャクーの戦いを控え,当時帝国の実権を握っていたガリウス・ラックスが,名目上の指導者としてコルサントにいたマス・アミダに送ったものである。

B

遂に何世代も続いた業が完成した。大いなる誤りは正される。勝利の日は間近である。復讐の日。シスの日だ。

問4

下線部③に関連して,何世代にも渡ってシスが重視してきた二人の掟を定めた人物として適切なものを,次ののうちから一つ選べ。16

  • レヴァン
  • ダース・ベイン
  • ダース・テネブラス
  • ダース・プレイガス

解説:クローン・ウォーズS6にある通り,二人の掟を定めたのはダース・ベインである。

問5

下線部④に関連して,シスの支配下ではない組織を,次ののうちから一つ選べ。17

  • アコライツ・オブ・ザ・ビヨンド
  • 尋問官
  • ナイト・シスター
  • ファイナル・オーダー

問6

この史料はどのような手法で伝えられたか。最も適切なものを,下ののうちから一つ選べ。18

  • 物理的な紙に書かれて送付された。
  • ホログラム通信中にハンド・シグナルで隠されていた。
  • 特殊なメッセンジャー・ドロイドによって伝えられた。
  • 銀河中に放送された。

解説:小説版『スカイウォーカーの夜明け』にあるとおり,本資料は映画冒頭で言及された「不可解な放送」そのものである。